ビッグヴィジョンでスーツを作ろうと思っていますか?
ビッグヴィジョンはダサいという声もありますが、本当にそうなのでしょうか。
実際にスーツを作った人たちの評判はどうなんだろうと、考えておられるかもしれません。
私はここ数年、ビッグヴィジョンでスーツやジャケットを作っていますが、私評を書きましたので、どうぞ参考になさってください。
ビッグヴィジョン私評
ここでは、ビッグヴィジョンの公式サイトを見ればわかるようなことは書いていません。私がスーツやジャケットを作ってみて、感じたことを書いています。
作ったスーツやジャケットはすべてイージーオーダーです。
接客とフィッターの技量
店員は礼儀正しく親切で、スーツ全般に関する知識も豊富です。
接客は程良い距離感を保ち、アイコンタクトを取って近づいてくる感じで、気が効いています。
「お客様にはこういうデザインが合っています」とか、「お客様にはこの生地がお似合いです」とか、店員のほうから積極的に意見を述べることはありませんでした。
この辺は賛否両論あるところでしょう。
採寸も問題なく、フィッターとしての技量も標準に達していると思います。
全般的に社員教育がよく行き届いていると感じました。
ビッグヴィジョンに限らず、テーラーに行く時には、ある程度オーダースーツに関する知識を身につけておくようお勧めします。
何着か作っていくうちに、フィッターとのやり取りが楽しくなってくるでしょう。
デザインと仕立て
長らくビッグヴィジョンのスーツは、「安かろう悪かろう」と言われていたようですが、今の経営者に変わってからは急速によくなっているようです。
昔のビッグヴィジョンがどんなスーツを作っていたのか知りませんが、今のデザインはそんなに悪くないと思います。若い人でも十分いけるのではないでしょうか。
経営陣は海外にも赴いて、トレンドにもちゃんと気を配っているようです。
仕立てはそこそこです。
ジャケット裾折り返しの糸のほつれや、肩パットの異様な凸凹といった不具合がありました。もちろん不具合はただで直してもらえますが、また工場に送るため、2~3週間待たされます。
私はそこそこで満足する性格なので、細かい所は気にしません。イージーオーダーにフルオーダーのような完成度を求めてはいけませんよね。
発注から仕上がりまでは早い時で1か月弱、遅い時は1か月半かかりました。大きな自社工場を持っている割には時間がかかります。
まぁ、私が作るのはいつもセールの時なので、仕方ありませんか。
セールでは高級生地がお買い得
ビッグヴィジョンでは頻繁にセールがあります。
季節ごとのセールに加え、半期ごとに行われる2着買うと大幅に値引きされるセール、在庫処分セール、ネット限定企画など、いろいろです。
ネット限定企画では、抽選方式により破格値で高級ブランド生地のスーツを作れます。
ちょうど今やっていますが、エルメネジルド・ゼニア トロフェオのスーツをなんと59,800円で作れます。
他店では考えられないような価格ですが、仕入れた生地を完売することで採算が取れるようです。
ゼニアの生地にはいろいろなレーベルがありますが、トロフェオは最高級の部類。スーツマニアにとっては垂涎物です。
アフィリエイトではありませんので、リンクは貼っていません。(笑)
ほかにもゼニア、ロロピアーナ、タリア・ディ・デルフィノといった高級ブランド生地がぐっと安くなるセールがあります。
私はブランド志向ではないのですが、店頭で生地を見比べてみると、風合、光沢、色使いの違いが歴然としていますので、自ずと高級な生地を選んでしまいます。
いい年になってくると、そうなりますよね。
スーツ
私が作ったスーツはこんな感じです。
ゼニア(エレクタ) 49,800円(税抜)
ロロピアーナ 49,800円(税抜)
キャノニコ 39,800円(税抜)
どれも、かなりのお買い得ではないでしょうか。
ジャケット
ジャケットも数着作りました。
これはサマージャケット。
アイボリー地に薄緑、薄紫、ベージュのラインが入ったチェック柄。
生地はロロピアーナのサマータイム(ウール43%,シルク32%,リネン25%)。例年6月にあるNET限定特別セールで作りました。
”楽ジャケット”と銘打った仕様で、作りが凝っています。
肩口にギャザーを寄せるマニカ・カミーチャ(雨降り袖)、肩パットや芯地を入れないセンツァ・インテルノ、裏地を付けない大見返し、総ステッチ、本切羽。
これだけオプションが付いて、なんと48,000円でした。
ションヘルメイド
ビッグヴィジョンには自社開発のオリジナルブランド生地が幾つかありますが、その中のションヘルメイドという生地が気になります。
ホームページの説明によると、それはションヘルと呼ばれる古典的な織機で織る風合のある生地のようです。
商品一覧ページを覗いてみたら、ブラウンにブルーのストライプといった、他店ではなかなかお目にかかれないような生地がありました。
他人とは違うものを着たがる人には、魅力的な生地ではないでしょうか。
ションヘルメイドもセールの時にはかなり安くなります。次はこの生地で作るかもしれません。
このようなオリジナリティーもビッグヴィジョンの魅力のひとつと思います。
メールマガジン
会員登録をすると、ホームページの更新時やセールが始まる前に、メールマガジンが届きます。書いているのは社長です。
セールや商品の紹介だけでなく、スーツ業界の動向や豆知識が書いてあり、勉強になります。
最近の例では、フルオーダーのスーツとイージーオーダーのスーツはフラワーホールと袖幅で見分けられる、という話がありました。
メールで問い合わせをすると、ほとんどの場合社長から長文の丁寧な回答が届きます。社長は文章を書くことが好きなのかもしれません。
あとがき
以上、私がビッグヴィジョンを利用した感想でした。お役に立てば幸いです。
AOKI、青山もオーダースーツに力を入れ始めました。
オーダースーツ業界でも二極化が進んでいるのかどうかはわかりませんが、お金に余裕がある人は英國屋とか、ペコラ銀座とかに行けばいいでしょう。
オーダースーツ専門店の老舗ビッグヴィジョンは、”庶民の味方”を謳っています。
庶民でも、いい生地のスーツを着たいと思う、その願いを叶えてくれるのがビッグヴィジョン。
仕立てはそこそこですが、高級インポート生地のスーツをリーズナブルに作れます。
ビッグヴィジョン お金なくても いいスーツ
2018/11/9
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