アゲハチョウ幼虫の育て方 葉っぱの準備から羽化まで

アゲハチョウ幼虫の育て方に関する問い合わせがよくありますので、この記事にまとめておきます。

ここで言うアゲハチョウは日本で最もポピュラーなナミアゲハです。それでも、我が家で飼育経験があるアゲハチョウに限って言えば、クロアゲハナガサキアゲハも飼育方法は全く同じです。

食草と蛹化時の行動が異なるアオスジアゲハに関しては、こちらの記事をご覧ください。

アオスジアゲハは生育分布が広いので(東北南部が北限)、ご存じの方が多いでしょう。それでも食草がクスノキ科植物であるせいか、ナミアゲハやクロア...
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葉っぱの準備

アゲハチョウの幼虫の食草は種類によって異なります。例えば、アオスジアゲハの食草はクスノキ科植物、キアゲハの食草はセリ科植物です。

この記事で取り上げるナミアゲハやクロアゲハの食草はミカン科植物です。一般的にはミカンやキンカン、レモンなどの柑橘類か、山椒の葉っぱを餌にすることが多いでしょう。

我が家ではベランダで柑橘類と山椒の鉢植えを育てています。

山椒、柑橘類、クスノキ(アオスジアゲハ用)など

ただ、夏の間常時アゲハを飼育している我が家では、この程度の鉢植えではぜんぜん足りません。アゲハチョウの幼虫は食欲旺盛なので、写真にある大きな山椒でも、おそらく5,6匹で丸坊主にされてしまうでしょう。

加えて、我が家では幼虫を室内で飼育しているため、餌は専ら外で調達しています。

このように外で取ってきた葉っぱを、水を少し入れた袋に入れて冷蔵庫に保存しています。

飼育場所の選定

庭やベランダなど、屋外で幼虫を育てるのであれば、寄生されることを覚悟しなければなりません。

自然界でアゲハの幼虫が蝶になる確率は1~2%。アゲハチョウに寄生虫はつきものです。我が家でも毎年犠牲者が出ます。

アゲハの寄生虫に関しては、こちらの記事をご覧ください。

久しぶりにアゲハチョウのさなぎが寄生虫にやられました。今季初です。 ひと月ほどかけて育ててきたアゲハが、羽化を目前に控えて死んでしまう...

細かい網目の防虫ネットで木を覆えば、ある程度防げるかもしれませんが、中が見えにくくなります。観察には向いていません。

我が家では寄生を避けるため、基本的に室内で飼育しています。

このように、鉢植えかビン刺し(切り枝)で育てます。

幼虫は水気のある新鮮な葉っぱしか食べませんので、切り枝の場合はこまめに葉っぱを換えてやらなければなりません。葉っぱに水気がなくなってくると、幼虫は新鮮な葉っぱを求めてさまよい始めますので、そうなる前に換えてあげましょう。

ビン刺しにする場合は、ビンの口(枝の周り)にキッチンペーパーなどを詰めておくようお勧めします。我が家ではそうしていなかったために、幼虫が溺死したことがありました。

別の利点として、ビンの口にキッチンペーパーを詰めておくと、喉が渇いた幼虫が下りてきて、そこで水分補給することができます。

こんなふうに。

卵から孵った幼虫は脱皮を繰り返し、青虫(終齢幼虫)、さなぎ、成虫へと変化します。

幼虫の脱皮に関してはこちらの記事をご覧ください。

今年もかみさんのアゲハたちとの日々が始まりました。 現在我が家にいるのはナミアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハの幼虫たちです。脱皮の動...

孵化に関してはこちらの記事をご覧ください。

アゲハチョウが孵化するところの動画は、まだアップしたことがないと思いますので、クロアゲハとナミアゲハの動画をアップします。 併せて、今...

蛹化に備える

幼虫はさなぎになる時が近づくと葉っぱを食べなくなり、そのうち、おしりを横に出して蛹便(水様便)をします。

こんな感じです。

このように体内の余分なものを排泄して、蛹化に備えます。

こうなると幼虫は餌場を離れて、さなぎになる場所を求めてさまよい始めますので、どこかに閉じ込めなければなりません。放っておくと行方不明になります。

我が家では通常アクリルケースに閉じ込めますが、虫かごやダンボール箱に閉じ込めることもあります。

虫かご

いずれの場合も、枝を入れたり、壁に割り箸やネットを貼ったりして、幼虫が糸掛けをしやすいように環境を整えます

さなぎになる前の糸掛けや脱皮に関しては、こちらの記事をご覧ください。

アゲハチョウの幼虫がさなぎになるまでの期間に起きることは注目に値します。どんなことが起きるのか、ご存じですか? 昨日撮影したナミアゲハ...

屋外で幼虫を育てるのであれば、ネットで木を覆うなどして、脱走を防がなければなりません。

我が家では以前こうしていました。

100均で買ってきた防虫ネット2枚をつなぎ合わせて、裾にループを作ってひもを通したネット。山椒の周りに支柱を立てて、それをかぶせています。

羽化に備える

前蛹になれば、羽化するまではそこから動きません。なので、さなぎを好きな場所に移すこともできます。

我が家ではこのように、いろいろな場所にさなぎを置いています。

このようにする時の注意点ですが、羽化した蝶は上に歩いていき、ぶら下がって翅を乾かしますので、そのための場所も作っておく必要があります。

また、さなぎの糸が切れてしまったり、おしりの固定が外れてしまったりした場合は、さなぎポケットに移すといいでしょう。

我が家のさなぎポケットはこんな感じです。

割り箸の外袋を円錐状に丸めて、割り箸に貼り付けただけです。

もっとカッコよくしたければ、こちらの動画 をご覧ください。

さなぎを布の上に置いておく人もいます。それでもちゃんと羽化するようですが、我が家ではやったことがありません。

さなぎが羽化するまでの日数や羽化の時間帯などに関しては、こちらの記事をご覧ください。羽化の動画もあります。

昨日、現時点で我が家にいる最後のナミアゲハとクロアゲハが羽化しました。 このところの連続猛暑日で、羽化する時間帯が少し早まっているよう...

無事に羽化したら、成虫は外に放していただきたいと思いますが、もう少し観察したい、あるいは羽化不全(奇形)で飛べない蝶を保護したいというのであれば、こちらの記事をご覧ください。

インスタグラムのフォロワーさんから、アゲハチョウ成虫の餌やりに関する問い合わせがありました。 昨年の日誌で何度か書いているのですが、こ...

あとがき

以上、アゲハチョウ幼虫の育て方をまとめました。

アゲハチョウの幼虫は可愛らしく、おもしろい習性があり、魅力的です。育ててみればいろいろな発見があり、興味深く感じます。

一度飼ってみるのはいかがですか? 小さな命でも愛おしく感じるようになるかもしれません。私はそうなりました。

2018/5/24,2019/8/18

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コメント

  1. まりこ より:

    ブロック幼虫は、どこかへ移動して行きまでしょうか?ブロックの上でさなぎになると熱で死んでしまうのではと気になりました。蛹になっていたら、鉢植えか何かで日よけをしてあげたい気がしますが。。

    • たむら船堀 たむら船堀 より:

      アゲハは陽当たりのことまで考えて、蛹になる場所を決めるほど賢いかどうか。どうなんでしょうね。私は専門家ではありませんので、自然界というか屋外でのことはよくわかりません。